ペット可物件が少ないのはなぜ?5つの理由と対処法を解説!

「ペットと暮らしたいのに、ペット可物件ってなぜこんなに少ないの?」
「ペット好きな人がペット可物件を探すポイントってある?」

ペットはいまや家族同然と捉える方が増え、ペットと共存する生活が当たり前になっている一方で、ペット可物件はというと、まだまだ需要に追い付いていないのが現状です。

ペット好きな方の賃貸探しの際のポイントとして外せないペット可物件がいまだ少ない5つの理由と対処法を解説します。

ペット可物件は現状どのぐらいあるの?


ペットと暮らしたいという需要の増加と比例するように、ペット可物件は年々増加傾向にあります。しかし現状、全賃貸物件のうちペット可物件の占める割合はというと、わずか12%ほどにとどまっています。1割強という少なさということが分かります。

不動産情報サイト「アットホーム」に掲載されている、地域ごとのペット可物件数を参考までにご紹介します。
・東京23区内 39,219件/233,335件のうち(16%)
・東京市部内 6,858件/78,308件のうち(8%)
・大阪市 11,648件/61,630件のうち(18%)
・神戸市 7,037件/42,642件のうち(16%)
・京都市 11,776件/134,380件のうち(11%)

令和3年2月4日時点のデータですが、実際の物件を見ると「ペット相談」と記載されており、どんなペットでもOKというわけでもなさそうです。

ペット可物件が少ない5つの理由


では、なぜペット可物件が消費者のニーズに反してまだまだ少ないのかの理由をみていきましょう。

ペット可物件が少ない理由1:原状回復に費用がかかる


まず1つ目は、入居者が退去した後の「原状回復に費用がかかる」ことでしょう。

ペットと住んでいると避けられないのが以下の2つの問題です。
・臭い
・傷や汚れ

ペットを飼うことでどうしても臭いが発生します。住んでいる期間が長くなればなるほど、臭いが部屋全体に染み込みやすくなるのは避けられません。また、ペットが壁や床などに傷をつけてしまったり、汚してしまったりすることもあります。

次の入居者がペット可物件を探していたとしても、臭いや傷や汚れなどは当然原状復帰する必要があります。しかし、ペットが住んでいた家では通常よりも原状復帰にかかる費用が高額となり、修繕費などが預かっている敷金の額を超過するのがほとんどです。

そのため、退去時に費用負担に関してトラブルとなることから、ペット可物件にしたがらないという意図があるのです。

ペット可物件が少ない理由2:住民トラブル


2つ目は、別の部屋に住んでいる「住民とのトラブル」です。

ペットの種類も様々ですが、犬や猫などの場合、鳴き声がうるさくて眠れない…という苦情が寄せられることもあります。

また、ペットと共存している中で発生する臭いや共有スペースでの糞尿などをめぐるトラブルも少なくありません。ペット同士の喧嘩が発生したり、大型犬などが別の部屋の住民のお子さんに噛みついたりといったリスクも考えられます。

そのため、ペット可物件では住民トラブルを起こした際の退去条件が盛り込まれていることもあります。

ペット可物件が少ない理由3:ペット不可に戻しにくい


3つ目は、「ペット不可に戻しにくい」です。

ペット可物件は、ペットと住みたい方にとっては非常に魅力的な物件です。しかし、今住んでいる物件がペット可物件になるのであれば、退去したいという人もでてくるでしょう。

ペットと住みたいという方が減ってきたので、ペット不可物件にしたいと思っても、長年の臭いが染み付いてしまうなど、戻しづらいことが多いものです。

また、ペット不可物件に戻したとしても、一度退去した人が戻ってくる可能性は限りなく低いという意味から考えても、後戻りできないリスクがつきまとうといえるでしょう。

ペット可物件が少ない理由4:リフォームが必要


4つ目は、ペット不可物件にするための「リフォームが必要」な点でしょう。

鳴き声が漏れないように防音壁にしたり、フローリングからクッションフロアやクロスの張替なども必要となったりと、初期投資が必要です。

また、ペット可物件に魅力を持たせるためには、足洗い場を設置したり、グルーミングルームを設けたりなど、ペットと暮らすのに快適な設備も欲しいもの。

こういった観点からも、リフォーム費用がかさばりがちなので敬遠されます。

ペット可物件が少ない理由5:他部屋の住民とのトラブル


5つ目は、「他部屋の住民とのトラブル」です。

戸建て住宅に住んでいても、ペット好きな方とそうでない方のトラブルはつきものです。同じ建物に住んでいるとなると、生活にも大きく影響してしまいます。

ペットを飼わないことを前提としている住民には、隣から聞こえる鳴き声などに不満を抱き、退去したいと申し出るリスクもあります。場合によっては、損害賠償や引っ越し費用の負担を求められる可能性も出てくるでしょう。

現在、住んでいる他部屋の住民に理解を得ながら、ペット可物件に移行することは非常に難しいのが実情です。

ペット可物件にならないか交渉しよう


気に入った物件がペット可物件でない場合、賃貸業者や大家さんに相談するのも一つの方法です。

具体的にどのようなペットが飼いたいのかを具体的に提示し、家賃や敷金のアップ、原状復帰費用の負担の申し出などをすることで、ペット可にしてくれる可能性もあります。

その際は、鳴き声や衛生面などにも十分注意し、近隣の方にも事前に挨拶をして周知するなどすることで、スムーズに入居しやすくなるでしょう。

まとめ


ペット可物件は、需要に対して1割強程度と少なめです。それには、原状復帰やクリーニングにかかる費用負担と近隣住民とのトラブルや理解を得ることの難しさといった2つの問題が隠されています。

最近では、空き家対策としてもペット可物件にすることは有効です。そこで、費用負担を申し出ることで、ペット共存生活を手に入れる方法もおすすめです。